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zoom RSS 「電子書籍」という”おかしな”言葉

<<   作成日時 : 2010/11/07 09:31   >>

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今回は、今年の流行語大賞になるかもしれない、
「電子書籍」という言葉に焦点を当てたい。

「電子書籍」はかなり”おかしな”言葉だと
前から思っている。

例えば、「電子音楽」「電子ビデオ」という
言い方と比較してみよう。

「電子音楽」というと、
音楽を電子化したものとは意味が異なる。
シンセサイザー等の電子楽器で演奏された
音楽の一分野のことを指す。

「電子ビデオ」となると、
一般的に使われることは、まずない。
フィルムやビデオテープで録画したものを
電子データにしたもの、という定義も
あるかもしれないが、
今や、光ディスクやハードディスクに
直接デジタルで記録する時代である。
「電子」とわざわざ名乗る必要もない。

ただ、音楽やビデオ(動画+音声)は、
データそのものが実体であることが
書籍とは大きく違う。

後は、そのデータの質や、
その劣化程度が問われることになる。

だから音楽やビデオでは、
データの圧縮率や
再現の時の音響環境が問題になるのだ。

もっとリアルさを求めたいなら
音楽ならコンサートに行くだろうし、
ビデオなら映画館やライブ公演に
足を運ぶことになるだろう。

とはいえ、基本的には
データそのものが音楽・ビデオだ。
CD音質、HD画質のものも
高速回線ならば配信出来る。

「音楽配信」「ビデオ配信」が
もはや可能であるという状況がある。
だから海賊版に神経質になるのだ。

それでは書籍の場合はどうか。

電子化されてネット配信されたものは
少なくとも”書籍そのもの”ではない。

それは文字や絵のデータ、あるいは
各頁を画像化したデータである。
書籍のごく一部の内容を取り出して
液晶や電子ペーパー上に表示しているだけだ。
iPadだって、Kindleだって、
Android端末だって同じこと。

それらは決して”本”ではない。

本というモノと人の関わり方に
執拗に拘った寺山修司がもし生きていたら
今の「電子書籍」を一目見るだけで
笑い飛ばしてしまったことだろう。

もちろん、将来的には、
バーチャル触感や3D技術などにより
実際の書籍を扱う感じに
なるかもしれない。

しかし現段階、そしてしばらくは
本は”配送”は出来るが、
”配信”出来ないものなのだ。

それなのに、なぜ出版業界が
「電子書籍」なる言葉に
こんなに狼狽しているのかよくわからない。

もっと落ち着いて情報分析すればよい。

今起こりつつある変化の本質は何か。
それは「フロー型情報」の
急速な陳腐化と低価格化である。
そうした情報を本の形にして稼ぐのは
もう観念してあきらめるほかない。

新聞や雑誌、一過性の流行本のような
「フロー型情報」は、
電子化の波に呑まれることになるだろう。

だが、
文芸書、学術書、歴史書などの
「ストック型情報」は、
まだまだ書籍の形で残っていくだろう。

「ストック型情報」の見極めと質の向上が
出版業界がまずとるべき対策ではないか。

「電子書籍」という言葉は、
「電子音楽」のように
書籍の一つの分野になることだろう。

”書籍”というメディアのあり方を
大胆に切り開いていこうとする
村上龍氏の試みのようなものこそ、
「電子書籍」への適切な対応だろう。

それは新しいメディアの発見であり、
本来ワクワクするべきことのはずだ。
新しいパイが増えるのだから。

真の「電子書籍」の登場にこそ、
我々は期待しよう。



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印刷学会出版部
中西 秀彦
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
図書館に行った時のあの雰囲気と季節ごとに変わる匂い。そして教養人になったようなひと時…私にとっては永久不滅です(笑
又三郎
2010/11/18 12:49
図書館ですか・・・そういえばしばらく行ってません。全てが自分の書庫みたいで何かリッチな気分を感じます。また行ってみよう。
言の葉ブログ
2010/11/20 09:09

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