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zoom RSS おとぎばなし(その1)

<<   作成日時 : 2006/05/07 18:07   >>

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むかしむかし、
カンパニーおうこく という 小さなくに がありました。

そこでは 一ばんえらいのは もちろん おうさま です。
けらいは4人 いて、としをとっている じゅんに
べてらん さん
ちゅうけん さん
わかいしゅう さん
しんいり さん
と いいました。

おうさま は 
けらいに一人一人めいれいをするのが
たいへんだったので
まほうつかい をつれてきて
4人のけらいが ちゃんとはたらいているか どうか
みはらせることにしました。

4人のけらいへの ごほうび は パン でした。
毎日 おうさまは 10このパンを
べてらん さんに 4こ
ちゅうけん さんに 3こ
わかいしゅう さんに 2こ
そして しんいり さんには 1こ
あげていました。

しんいり さんは 
じぶんが 1こ だけしかもらえないことに
ふまんは ありましたが
としを とれば 
わかいしゅう さんのように 2こ もらえることを
わかっていたし
まだ じぶんが 
じょうずに はたらけないことも わかっているので
がまんを していました。
また
べてらん さんには おくさん や こどもたち がいるので
4こ でおおくても
しかたがないことだ と なっとくしていたのです。

わかいしゅう さんも 
ちゅうけん さんも
おなじように なっとくしていました。

みんな おたがいに
だれが なんこ もらっているのか
そしていつになったら なんこ じぶんがもらえるのか
わかっていたのです。

あるとき
てんきがわるい年 がありました。
カンパニーおうこく で 
パンのげんりょう の こむぎ が
いつもほど とれなくなってしまったのです。
けらいにあげる パンは 
ぜんぶで 9こ にしなければならなくなりました。

こまった おうさま は 
まほうつかい に
どのように けらいに わけたらいいのか
そうだんすることにしました

まほうつかい は
「だれかのぶんを すくなくしなくてはいけません」
と いいました。

おうさま は
「それはわかっている 
 しかし
 だれのぶんをすくなくしたらよいのかわからない
 それに
 どう せつめいしたらいいのかわからない
 よいちえはないか」
と ききました。

まほうつかい は しばらくかんがえたあとで
「わかりました
 おうさまは そのけらいだけが すくなくする 
 『りゆう』が ほしいのですね
 それでは
 りゆう を あたらしくつくりましょう」
といいました。

「りゆう を あたらしくつくる だと」
おうさまは 目をまるくして ききかえしました。

「はい
 いままで おうさまは
 けらいが いくつとしをとっているか で
 パンのかずを きめていました
 でも これからは 
 ある りゆう で
 あげる パンのかずを きめることにするのです」
と まほうつかい は とくいそうに こたえました。

 びっくりして おうさま は まだ目をまんまるにしています。
 まほうつかい は つづけてはなしました。
「けらい は 4人みんなが 
 まったくおなじように はたらけるわけではありません
 あることは はやかったり おそかったり
 また あることは できたり できなかったりします
 ほかの人よりも しごとができることを 
 『のうりょく』 がある と
 きめるのです
 そして
 のうりょく がない人は
 パンがすくなくなるように すれば
 いいのではないでしょうか
 これが あたらしくつくる りゆう です」
 
 おうさま は まだよくわかりません。
「のうりょく がないからもらえないのだ
 と せつめいして 
 ほんとうにわかってもらえるだろうか」
 
 まほうつかい は ふふんと ほほえみながらこたえました。
「いままで このくにでは
 のうりょく というもので
 パンをきめられたことはないので
 それが ただしいのか ただしくないのか
 だれにもわからないのです
 それに
 のうりょくは おうさまが きめたことにしてしまえばよい
 いままでずっと
 けらいはみんな おうさまを しんじていますから
 おうさまが きめたことなら
 わるいことにはならないだろう と
 おもうに ちがいありません」
 おうさま も だいぶわかってきようで
 ふんふんと うなづきながらきいています。
 
 ここで まほうつかいは
 きゅうにこえを 小さくして 
 おうさまに いいました。
「さらに もう一つ
 このように つけくわえるのです
『おまえの のうりょく が もっとつけば
 かならず もらえるパンが ふえるから』
 とね」
 
 ここで おうさま はすべてがわかり
 大きくうなづいていいました。
「わかった
 おまえのいうとおりに してよいぞ
 それでは さっそく
 ちゅうけん のパンを 
 3こ から 2こ に
 へらすことにしよう」
 
 こんどは まほうつかい がおどろきました。
「まってください おうさま
 もうきめてあるではないですか
 いったい どうして
 ちゅうけん のパンを へらすのですか」
 
 おうさまは ぷいと よこをむいていいました。 
「あいつは きょう
 わしのやることに もんくをいったので
 ちょいと きにいらなくてな
 ただ りゆうが うかばなかったのじゃ
 なあに
 なにか ちゅうけん が できないことを もってきて
 『のうりょく』 がないと いえばいいんじゃろう
 あとは おまえに まかせたぞ」
 
 まほうつかい は にっこりして
「さすがは おうさま
 ものわかりがはやい それでよいのです
 それでは 
 おおせのとおりに いたします」
 
 そういって 
 まほうつかいは さっそく
 けらいたちに パンを わけにいきました。
 もちろん 
 あたらしい りゆう をつけて
 ちゅうけん のパンだけが 2こ になりました。
 
 ちゅうけん のパンがへらされた『りゆう』は
 走るのが みんなよりおそいことでした。
 もちろん もんくを いいましたが、
 まほうつかい に
 「おうさま の決めた 『のうりょく』 に
  なにか ふまんがあるのか」
 と いわれると、
 「おうさま が決めたことなら」
 と もんくをいうのを やめました。
 そして 
 さらに まほうつかい に
 「もっと はやく走れるようになれば
  もらえる パン がふえるかもしれないではないか」
 と いわれると
 そのとおりかもしれない とおもい
 2こ のパンだけをもらって いえに かえったのです。
 
 ところで、 
 べてらん わかいしゅう しんいり の 3人は
 どう おもったのでしょうか。
 あたらしい 『のうりょく』 という ことばのいみは
 あまりよくわかりませんでした。
 でも 
 じぶんたちの パンは すくなくならなかったので
 わるいようにはならないだろう とおもっただけでした。
 それどころか
 わかいしゅう や しんいり は
 「もっとおおくもらえるようになるかもしれない」
 ともおもうのでした。
 
 この日 から
 いくらてんきのよい年でも
 カンパニーおうこく では
 おうさま が けらいにあげるパンは 
 二どと 10こ になることはありませんでした。
 
 けらいの4人は
 ある日は すくなく
 ある日は おおく
 パンを もらうことは ありましたが
 4人のパンの ごうけい は いつも9こなのでした。
 ただ けらい 一人一人は
 じぶんが
 すくないときから おおくなるときに
 ちょっとうれしいので
 ぜんぶでいくつか ということは
 ぜんぜん おもいもしませんでした。
 
 おうさま は
 このまえまでは けらいにあげていた 10このうち
 1このパンを
 まいにち じぶんで たべられるようになって
 うれしそうでした。
 そして
 けらいたちを ちょっと
 おろかだな とおもうのでした。
 
 まほうつかい は
 しばらく このようすを 
 だまってみていましたが
 そのうちに 
 すごいことを おもいつきました。
 
 まほうつかいは
 いそいそと おうさまのところに 
 でかけていきました。
 (つづく)


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