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zoom RSS おとぎばなし(その3 最終話)

<<   作成日時 : 2006/05/10 22:48   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 3

カンパニーおうこく という 小さなくにの
おはなしのつづきです。
おうこく は そのあと どうなったのでしょうか。

おうさま の けらい の おもなしごとは
おうこくの こくみん の
あんぜん を まもることでした。
どろぼう や ころしや を
すぐに つかまえてくれるのです。
そのおかげで
こくみん は まいにち
あんしんしてくらすことが できました。

ところが
おうさま が
もくひょう と せいか で
けらい に その日にあげる パンのかずを きめるようになって
しばらくたってくると
こくみん の ふまんが 大きくなってきたのです。

おうさま の けらい が
どろぼう や ころしや を
ちゃんと つかまえなくなり
まえよりも はんざい が ふえたというのです。

おうさま は
「どうもおかしいな」
と おもいました。

というのも
けらい の まい日の せいか は
けっして わるくなっていなかったからです。
どちらかといえば
つかまえる はんにん の かずの
もくひょう を たてることで
けらい ぜんぶでは
せいか は まえよりも
よくなっているはずでした。

きのう は
ちゅうけん は
はんにん を 5人も つかまえて
もくひょう を たっせいして
パンを 3こ もらっていたくらいです。
その日は
べてらん は 2こ
わかいしゅう は 2こ
しんいり は 1こ
の パン をもらっていました。

おととい には
べてらん が 4こ パンをもらいました。
はんにん を なんと 6人 もつかまえて
もくひょう の 5人 をこえたので
とくべつに おおく もらえたのです。
ちゅうけん は 2こ
わかいしゅう は ちょうしがわるくて 1こ
しんいり は 1こ
でした。

さきおととい、1しゅうかんまえ、2しゅうかんまえ と
べてらん ちゅうけん わかいしゅう しんいり の 4人は
ぜんいん が せいか を だすことはありませんでしたが
だれか1人 は 
かならず もくひょう を たっせいしており
8こ の パンを わけあたえられる しくみは
うまく いっていたようなのでした。

おうさま は
そういうことを
かんがえれば かんがえるほど
どうして はんざい が ふえているのか
わからなくなるのでした。

こまった おうさま は
まほうつかい に
げんいん を しらべさせることにしました。

まほうつかい は しらべていくうちに
おかしなことに きがつきました。
「おなじ はんにん が なんかいも つかまっているぞ
 しかも
 はんざい は どれも かるいものばかりだ
 つかまっても つぎの日には しゃくほう されているし」

うんうん うなってかんがえていましたが
とつぜん あっ と おもいあたりました。

「けらいたちは
 じぶんたち の なかで 
 だれかが かならず せいか がでるように
 おなじ はんにんを つかまえては しゃくほうして
 ぐるぐる こうたい で 
 せいか を だしているのではないか」
「つまり
 つかまえるのに らくな はんにん だけに
 目をつけて
 なんかい でも つかまえる
 つかまえにくい ほんとに わるい はんにん は
 ほっといているのだ」
「だから
 まえとおなじような かずの はんにん を つかまえても
 はんざい は まえよりも わるく なっているのだ」

しかし
まほうつかい は
そういうかんがえを 
すぐに おうさまに いうべきかどうか
なやんでしまいました。

なぜなら
じぶんが おうさま に ていあんした
せいか や もくひょう による
パンのかずの きめかたが
けっきょくは しっぱい だったことが
ばれてしまうと おもったからです。

そこで
まほうつかい は
おうさま には しばらく はなさないで
けらいたち に
おこないを あらためるように
いってみることにしました。

まほうつかい は
けらいたちを あつめて いいました。
「おまえたち は
 せいか を こうたいで だせるように
 しているのではないかな
 そうであるなら
 すぐに そういうことは やめることだ
 あすから やめるならば
 おうさま には なにもいわないでおこう
 しかし 
 もしも やめないときは・・・
 おまえたち は 二どと
 パンをもらえなくなるだろうよ」

けらいたち は
かなりこたえたはずでした。

いばっている まほうつかい のまえで
けらいたち は
なにも いわず
だまって きいていましたが、
やがて ひとり また ひとり と
かえっていきました。

つぎのひ。

おうさま は
こんどこそ
あたまを かかえてしまいました。
4人の けらい が
みんな きえてしまったからです。

その日いらい
カンパニーおうこく は
はんざいしゃたちの てんごく に なってしまいました。
はんざい は みるみるうちに ふえて
おうこく は あれはてて いったのです。

もう おうさま は
パンのかず などを
かんがえている ばあいでは ありませんでした。
もはや おうさま であることが
あやうくなってしまったのです。

こまりはてた おうさま は
まほうつかい を よぼうとしましたが
なんということか
めざとい まほうつかいは
みのきけんを かんじて
とっくに いなくなってしまいました。

もう おうさま は
ばんじきゅうす です。

カンパニーおうこく は
もう いつほろびてもおかしくない
じょうたいまで おちぶれてしまいました。
そして
いまでは みるかげ も ありません。


さて
べてらん さん
ちゅうけん さん
わかいしゅう さん
しんいり さん
の 4人は
いったい どこに きえてしまったのでしょうか。

じつは
となりの パラダイスおうこく に ひそかに にげて
なかよく はたらいていたのです。

パラダイスおうこく は
むかしの カンパニーおうこく のように
としのじゅんで パンのかずが きまっていました。

べてらん さんは 4こ
ちゅうけん さんは 3こ
わかいしゅう さんは 2こ
そして 
しんいり さんは 1こ
もらえました。

いっしょうけんめい はたらいた 日にも
ちょっとつかれて さぼっちゃった 日にも
もらえる パンは
おなじ かずでした。
でも
けらい は
まいにち あんしんして はたらけたので
けっきょくは
パラダイスおうこく は
いつまでも あんしんで あんぜんなくに でした。

これで カンパニーおうこく の おはなしは
おしまいです。

おなじ とうじょうじんぶつ で
とちゅう から
ちがう しなりお が
かけるかもしれません。

でも
さいしゅうてきには 
おなじような はなし に なるのではないでしょうか。

しょせん
ひとが ひとを
つごうよく つかおうとすればするほど
まちがった ほうこうに
ころがっていく ものなのです。

けらいたち は
けっして おろかでは ありませんでした。
ほんとうに おろかだったのは
だれだったのでしょうか。

1人の ひと を
ながく だますことは かんたん ですが
たくさんの ひと は
たとえ みじかい じかんでも
だましつづけることは
とてもとても むずかしい のです。

(おわり)


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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
人間の本質に目を瞑った**マジックは所詮小手先の業に過ぎません。教育、憲法問題にしても同様でしょう。競争社会でカサついた昨今、日本型という言葉に希望の響きを感じます。しかし、まだまだ本当に声を出せる人(出さないといけない人)が声を出していませんね。
又三郎
2006/05/10 23:49
(追伸)おとぎばなし・・色々な解釈も可能で、とても面白かったです。有難うございました。
又三郎
2006/05/10 23:55
恐れ入ります。おそまつなオリジナルのシリーズで失礼いたしました。
形だけの成果主義・能力主義で疲弊していく世の中が、もしかするととっても単純な話に簡単化出来るのではないか、と思いついて書いてみたという次第です。
悲劇と喜劇は紙一重。有象と無象。
所詮はさぼりたがりの人間をどううまいこと使っていくか、支配層も下手なちょっかいばかり出すのはやめて適当に放っておいた方がよろしいのでは。自分もさぼりたいだけなんだから。
言の葉ブログ
2006/05/11 07:08

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